【連載】アイビューティーサロンで役立つ“個性心理學®“を活かしたビジネスコミュニケーション‐8
皆さまこんにちは、個性心理學認定講師の尾形瞳と申します。
4月は、生活環境が変わったり、人との出会いが多い季節です。
学校や職場、趣味の場での新しい出会いは、自分の価値観や考え方を広げるきっかけになります。人は人と出会うことで、自分の中にない視点や経験を学ぶことが出来ます。
「性格」と「人格」の違い
私たちは日々、多くの人と接しながら生活しています。その中で、「あの人の性格は明るいね」とか、「彼女の人格には深みがある」といった言葉を耳にすることがあります。私たちが日常生活の中で使う「性格」と「人格」という言葉。どちらも人間の個性や特徴を表すものですが、実はその意味や使われ方には微妙な違いがあります。
「性格」という言葉は、私たちが日常的に最もよく耳にするものではないでしょうか。「自分の性格を知りたい」「あの人とは性格が合わない」といったように、性格は人間関係や自己理解において頻繁に話題になります。この「性格」という言葉の語源は、ギリシャ語の「刻み込まれたもの」や「掘りつけられたもの」から来ています。
一方で、「人格」という言葉はどうでしょうか?日常会話では「人柄」という言葉で置き換えられることもありますが、人格は、社会的・倫理的な評価を含む広義の概念です。たとえば、「人格者」といった表現では、その人の行動や考え方が他者から高く評価されていることを示します。
興味深いことに、日常生活では「性格」という言葉は頻繁に使われる一方で、「人格」はあまり意識されないことが多いようです。「あの人とは性格が合わない」とは言っても、「あの人とは人格が合わない」とは言いません。人格は他者との関係性の中でのみ存在するとされており、「表面的な自分」や「演じる自分」といった側面も含んでいます。この点が、性格とは異なる重要なポイントになります。
他人と出会うことで、自分の人格や性格を再発見することがあります。相手の反応や会話の中で、自分の意外な一面に気づき、自己成長のきっかけにもなります。時にはその出会いが人生の転機となることも。自分自身もまた、誰かにとって新しい出会いであることを忘れずに。自分の人格や性格が、誰かの人生を明るくする可能性を秘めています。第一印象だけでは分からない、奥深い魅力を持つ人もいます。時間をかけてその人の本質を知ることが、出会いの醍醐味と言えるでしょう。ぜひ新しい出会いを楽しんでくださいね。
さて、8回目となる今回は、個性心理學を活用した『個性心理學 3分類別 /クレーム対応』について掘り下げていこうと思います。
個性心理學をサロン経営や接客、社員教育などにお役立ていただくと幸いです。
過去のコラム
1回目:『個性心理學®についての基礎知識』
2回目:『3分類の基本的な特徴について』
3回目:『個性心理學 3分類別 / 価値観(大切にしたいもの)について』
4回目:『個性心理學 3分類別 / 人生観について』
5回目:『個性心理學 3分類別 / 会話の特徴と攻略ポイント』
6回目:『個性心理學 3分類別 /好感度を上げるアクション』
7回目:『個性心理學 3分類別 / 口癖・よく使う言葉』
誰もが避けたいと感じるクレーム対応
「クレーム対応」と聞くと、多くの人が「難しそう」「ストレスがたまりそう」と感じるかもしれません。トラブルや衝突を避け、穏やかで平和な環境の中で仕事を進めたいという思いから、かつて私自身もクレーム対応に対して消極的な姿勢を持っていました。
しかしながら、業務を続けていく中で、クレーム対応は避けて通ることのできない重要な業務になる事も痛感しました。
例えば、どれほど優れた製品やサービスを提供していても、すべての顧客の期待を完全に満たすことは難しく、時には不満や問題が発生することがあります。こうしたクレームを適切に処理することは、単なる問題解決にとどまらず、企業の信頼性向上や顧客満足度の向上にも直結していきます。
クレーム対応は決して楽な業務ではありません。
その現場では、相手が感情的になったり、一見理不尽と思える要求をしてくることがあります。しかし、そこで反射的に否定したり、自分の意見を押し付けたりしてしまうと、相手との信頼関係は築けません。
相手の立場や状況を想像してみることで、“なぜその人がそう感じるのか”を理解しやすくなります。相手の気持ちや考えを理解できれば、より適切な対応ができるようになり、より良いコミュニケーションが生まれ、結果として関係性が深まることに繋がります。
クレームの背景には、「怒り」や「不安」、「失望」など、さまざまな感情が隠れています。それをただ表面的な言葉だけで捉えるのではなく、その奥にある本当の気持ちを読み取る努力が大切です。
また、クレームは、その内容に、相手が何に最も重点を置いているかというポイントが必ず存在します。例えば、「商品の品質」に不満を持つ人もいれば、「対応スピード」に重きを置く人もいます。どこに焦点を当てて解決策を提示するかは、そのポイントを見極めることが重要な鍵となります。
そして、クレーム対応は何より、ストレスフルな場面となります。自分自身の感情が乱れると、冷静な判断や対応が難しくなります。深呼吸や短時間のリフレッシュなど、自分を落ち着かせる方法を取り入れ、心の余裕を保つことが必要になります。
クレーム対応は、一見するとネガティブな業務に思えるかもしれません。しかしどの職業においても避けて通れない重要なスキルになります。ただし、単に問題を解決するだけでは不十分です。適切な対応ができるかどうかで、顧客との関係性が大きく変わることも少なくありません。顧客との信頼関係を築き、長期的な関係を育むためには、相手の個性や価値観に合わせたアプローチが欠かせません。
今回は、「月グループ」「地球グループ」「太陽グループ」という3つの個性タイプに分け、それぞれに適したクレーム対応術をご紹介します。
少し視点を変えてみると、クレーム対応には単なる問題解決を超えた、大きな可能性を秘めたものといえるでしょう。
『個性心理學 3分類別 /クレーム対応』
月(MOON)グループ
こじか・黒ひょう・たぬき・ひつじ
何事も人間関係が大切な「良い人チーム」:全人類の約35%
(月グループは、さらに「新月」こじか・たぬき、「満月」黒ひょう・ひつじに分かれます。)
「誠意第一」を考慮した対応をする
月グループの人たちは、「人としての誠実さ」を重視します。愛情や信頼といった「目に見えないもの」を大切にする傾向があります。クレーム対応においては、まず相手の気持ちに寄り添い、「あなたの声をしっかり受け止めています」という姿勢を示し、丁寧さと心を込め、誠意を持って接することが求められます。
対応のポイント
・共感を示す:相手の感情に寄り添うことは、信頼を築く第一歩です。例えば、「ご不便をおかけして申し訳ございません。そのお気持ち、とてもよく分かります。」「お気持ちをお察しいたします」といった言葉を使うことで、相手が感じている不安や不満に共感していることを伝えることができます。共感の言葉で相手の感情に寄り添い伝えましょう。
・誠意ある謝罪をする:謝罪は単なる形式的な言葉ではなく、心からの態度が伴うことで初めて相手に響きます。「申し訳ございません」という言葉だけでは不十分であり、その背景にある気持ちや考えを伝えることで、誠意が伝わります。例えば、「今回の件でご迷惑をおかけしたこと、本当に申し訳なく思っています。今後このようなことが起こらないよう改善に努めます。」といった具体的な言葉を添えることで、相手への真摯な姿勢を示すことができます。
・解決後のフォローアップも忘れずに:問題が解決した後も、そのまま終わりにせず、「その後いかがでしょうか?」といったフォローの連絡をすることで、相手に安心感を与えることができます。この一歩は小さなものかもしれませんが、解決策が適切だったかどうかを確認し、必要に応じてさらなる対応を提案することに繋がります。
地球(EARTH)グループ
狼・猿・虎・子守熊(こあら)
地に足のついた「しっかり者チーム」:全人類の約40%
「具体的な形」を考慮した対応をする
地球グループの人たちは、「形ある解決」と「迅速な対応」が重要になります。目に見える成果や具体的な解決策を求める傾向があるので、論理的かつ実用的なアプローチで信頼を取り戻しましょう。クレーム対応では、「問題解決のプロセスや結果」を明確に示し迅速に対応することが大切です。
対応ポイント
・具体的な解決策の提示:問題に対しては、「この件につきましては、○○という手順で解決させていただきます」といった明確な行動計画や、具体的なステップを提示しましょう。
・補償や特典の提案:必要に応じて、「次回ご利用いただけるクーポン」や「特別なサービス」を提供することで、相手の満足度を高める工夫を行うと良いでしょう。こうした提案は、問題解決だけでなく、その後の関係性を良好に保つためにも有効です。相手が「大切にされている」と感じられるような対応を心がけることがポイントです。
・効率的でスピーディーな対応:時間に重きを置く傾向が強いのでスピーディーに「すぐに対応する」という姿勢を示しましょう。
太陽(SUN)グループ
チータ・ライオン・ゾウ・ペガサス
常に輝いていたい「天才チーム」:全人類の約25%
「箔がつく」ことを考慮した対応をする
太陽グループの人たちは、自分が特別であると感じられるような対応を好む傾向があります。クレーム対応では、「相手のプライドを傷つけない」自尊心に配慮した対応がポイントになります。
対応ポイント
・称賛と感謝の姿勢を大切に:まずは、相手の意見に対して心からの感謝を伝えましょう。例えば「貴重なご意見をいただきありがとうございます。○○様のおかげで私たちも改善の方向性が見えました」といった言葉を添えることで、相手が「自分の意見が価値あるものだ」と感じられるようになります。このような称賛と感謝の姿勢は、相手との心の距離を縮める効果があります。
・特別感を演出する:人は「自分が特別扱いされている」と感じると、自然と心が開きやすくなります。例えば、「今回の件につきましては、責任者が直接対応させていただきます」といったアプローチを取ることで、安心感と重要性を感じてもらうことができます。
・未来志向の提案で前向きな印象を:過去の問題に焦点を当てるだけでなく、未来に向けたポジティブなビジョンを共有することも大切です。「今後さらに良いサービスをご提供できるよう努めてまいります」といった未来志向の提案は、相手に安心感と期待感を与えることができます
一見するとストレスが伴い、ネガティブな印象を抱きがちなクレーム対応。しかし、実はその裏側には大きな可能性が隠されているのです。クレーム対応は、単なる業務の一貫ではなく、人と人との絆を深める絶好の機会でもあります。この視点を持つことで、困難と思われる状況もポジティブな挑戦へと変えることができるでしょう。
次回クレーム対応に直面した際には、ぜひその場を「信頼の架け橋」を築くチャンスと捉えてみてください。一歩前向きに取り組むことで、困難な状況があなたの成長と成功の糧となり、より良い未来への扉を開くきっかけとなるでしょう。
次回は、『個性心理學 3分類別 /会話のきっかけ何にしよう?』です。お楽しみに。
まずは自分のキャラクターを調べてみよう
まずは自分のタイプを知り、自分以外のタイプを知ってみませんか?
何か問題や解決したいことがあったら3分類で解決できることもとても多くあります。
下記公式サイトから自分のタイプ(キャラクター)を調べてみましょう。
ページをスクロールいただくと検索システムがありますので、生年月日を入力してください。
https://www.noa-group.co.jp
尾形 瞳
個性心理學認定講師、認定カウンセラー、看護師、保健師
個性心理學では「尽くす猿」の個性を持つ
宮城大学看護学部看護学科卒業。大学では心理学のゼミに入り行動心理学や性格心理学について研究。大学卒業後は総合病院や施設、都内クリニックに勤務。現在は看護師をしながら、表参道メンタルヘルス研究所、東京都体操協会パルクール委員会などでも活動している。個性心理學認定講師、認定カウンセラーとしては、個人鑑定のほか、講座・セミナーの開催もしている。
講座、セミナー:要相談
個人鑑定:11,000円(税込)
個性心理學個性診断レポート 各種1,100円(税込)~
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※内容に「個性心理學について」と記載してください。