【店販最前線!】アイビューティーサロンで売れる商品は?

 

   ホットペッパービューティーアカデミー研究員  田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』-第10回 

【店販最前線!】アイビューティーサロンで売れる商品は?

 

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロンの各ジャンル調査を発表しています。今回は、「美容センサス2023年上期<アイビューティーサロン編>」から店販のデータをご紹介。アイビューティーサロンで売れる人気商品や、お客さまが「店販を購入した理由」などを解説します。

 

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.     女性の1年間の店販購入は12.7%
2.     店販を最も購入する年代は?
3.     店販購入にいくら使う?
4.     人気の店販商品は?
5.     店販購入のきっかけは?

 

 

1. 女性の1年間の店販購入は12.7%

 

 

女性(15~69歳)のアイビューティーサロン利用者のうち、店販を購入するのはどのくらいでしょうか?

「この1年間で購入した」は12.7%。「購入したことはないが興味がある」(29.1%)の潜在層の割合が大きく、まだまだ伸びしろの大きいマーケットと言えます。また「ここ1年間の購入はないが、過去に購入したことがある」(16.5%)という「過去購入経験者」の復活を促すことも重要でしょう。

 

 

2. 店販を最も購入する年代は?

 

 

年代別に店販購入のデータを見てみましょう。最も購入が多いのは30代で18.2%、ついで40代の15.4%でオトナ女性に購入が多いのが特徴的です。

オトナ女性は「まつげが短くなった」「まつげが細くなってきた」など年齢によるまつげに対する悩みが若年層よりも高い傾向にあります。このため、ケアやメンテをしっかりしたいというニーズが高いのかもしれません。

 

 

3.店販購入にいくら使う?

 

 

店販の購入額は前年の9,323円から2023年は11,876円と上昇しています。店販の年間購入額は2020年をピークに減少傾向にありましたが、回復のきざしがうかがえます

サロンの年間利用額の平均は、23,399円(1回あたり利用金額4,941円×年間利用回数4.74回)ですので、店販購入はサロンの売上アップに大きく貢献しています。

 

 

 4. 人気の店販商品は?

 

 

それではどんな商品を購入しているのでしょうか?。1位は「まつげ美容液」で69.0%。店販購入者の大半が購入しています。SNSでも話題になった商品もありますね。

自宅でしっかりケアすることで、まつげパーマやまつげエクステンションのモチを良くすることもできます。店販購入の多いオトナ女性はもちろんのこと、若年層のお客さまにも「良い状態をキープいただく」ためにご案内したいですね。

2位と5位と7位には、コスメ(メイクアイテム、基礎化粧品)がランクイン!お客さまは、「まつげ・眉毛」だけではなく目の周り、お顔全体についてもプロの目利きによる商品への興味があるからでしょう。

 

 

5.  店販購入のきっかけは?

 

 

最後に美容サロン(ヘア/ネイル/エステ/リラク/アイのいずれか)で店販を購入したお客さまに、サロンで店販購入する理由・きっかけについて聞いた調査を紹介します。

1位は「サロンのスタッフに勧められた」(36.1%)で他を大きく引き離しました。スタッフに案内されることで購入意欲がわくため、カウンセリングでしっかりニーズを引き出すことなどが大切になりそうです。

2位にランクインした「サロンでしか買えない」(27.3%)ですが、昨今「サロン専売」のまつ毛美容液やクッションファンデーションなどが人気です。「専売商品を買いたい」ためにサロンに定期的に来て施術するお客さまもいると聞きます。

サロンのブログやSNSに取り扱いがある店販商品の紹介をきちんとすることで、来店の動機にもつながっていくのではないでしょうか。

 

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

「美容センサス2023年上期<アイビューティーサロン編>」( 2023年3月)
調査対象:
15~69歳男女の過去1年間における美容サロン(アイビューティーサロン)に対する意 識・利用実態を調査(男女各6,600サンプル/人口20万人以上都市居住)※本寄稿においては、女性15~69歳のデータを使用

「店販購入における意識調査」 (2022年3月)
調査対象:
15~49歳女性で、美容サロン(ヘアサロン/ネイルサロン/エステサロン/リラクゼーションサロン/アイビューティーサロン)の過去1年以内利用者 3,150人

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​