【2023年都道府県別美容サロン利用調査】サロン利用率、客単価、店販の全国1位の都道府県は?美容室とアイビューティーサロン、それぞれの結果を発表!

 

   ホットペッパービューティーアカデミー研究員  田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』-第8回 

【2023年都道府県別美容サロン利用調査】サロン利用率、客単価、店販の全国1位の都道府県は?美容室とアイビューティーサロン、それぞれの結果を発表!

 

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロンの各ジャンル調査を発表しています。今回は、毎年好評の「「都道府県別」20 代・30 代女性の美容意識・実態調査」の2023年版を解説!美容サロン利用における都道府県ランキングをヘアサロンとアイビューティーサロンの結果を比較しながら紹介します。

 

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
◆ 利用率   
└【ヘア】美容室の利用率1位は「島根県」!
 【アイ】アイビューティーサロン、利用率1位は「大阪府」!
◆ 客単価
└【ヘア】美容室の客単価の1位は「三重県」! 
 【アイ】アイビューティーサロン、客単価の1位は「群馬県」!
◆ 店販購入率
└【ヘア】美容室の店販購入率1位は「富山県」!
 【アイ】アイビューティーサロン、店販購入率1位は「広島県」!

 

 

1. 【ヘア】美容室の利用率1位は「島根県」!

 

最初にヘアサロンの利用率(過去1年以内のサロン利用率)の都道府県ランキングです。1位は「島根県」!天然温泉が多く、気候条件(日照時間が短く紫外線の影響を受けにくい)から「美肌県」としても紹介されていますが(※)、実は美容室の利用率も日本一。
※島根県ホームページより(https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/seisaku/koho/photo/photoshimane217/2.html

トップ4までは大都市ではなく、ローカルエリアが並びます。実は、東京都の美容室の利用率は45位(76.8%)。大都市であるからといって、美容室を利用する割合が高いわけではないのです。東京都ではサロン利用者の来店回数は多いことから、利用者と非利用者との間で二極化が起きているとも考えられます。

 

 

 2. 【アイ】アイビューティーサロン、利用率1位は「大阪府」

 

アイビューティーサロンの利用1位は、「大阪府」!前年9位からランクアップしています。昨年の1位は「沖縄県」。沖縄県はネイルや脱毛サロン利用も全国1位。ビジネスウェアもカジュアルであることから、仕事場でも美容を楽しみやすい環境にあるのかもしれません。2023年は、1位の大阪府以外にも、3位の広島県、5位の福岡県と大都市の順位がランクアップしています。コロナ禍で広がった目元美容のブームが、アイビューティーサロン利用にもつながり、大都市に広がってきていることがうかがえます。

 

 

3.【ヘア】客単価の1位は「三重県」!

 

客単価(1回あたり利用金額)の1位は、「三重県」。前年3位から順位をあげました。三重県は後ほど紹介しますが、店販を購入する人が多く、客単価の増加につながっていると考えます。2位の愛知県は、「名古屋巻き」などヘアの巻き髪文化を生み出したエリアでヘアへの関心(投資意欲)も高いのでしょう。3位の東京都は、ハイトーンカラーの流行によってデザイン性の高いカラーや高品質なトリートメントの利用ニーズが高いとも考えられますね。

 

 

 4. 【アイ】客単価の1位は「群馬県」!

 

アイビューティーサロンの客単価1位は「群馬県」。先ほど利用率の多い都道府県の上位を紹介しましたが、利用率も客単価もトップ5にランクインしているのは、「広島県」だけです。利用率の高い県は、利用者のすそ野も広いため価格帯も低~高へと幅広くなる傾向にあります。逆に今回ランキング上位にあがったエリアは、現在利用いただいているお客さまが単価の高い上顧客層の比率が高いといえるでしょう。

 

 

5.  【ヘア】店販購入率1位は「富山県」!

 

ヘアの店販購入率1位は「富山県」、2位は「三重県」。富山県と三重県は客単価も全国トップ5で店販購入が客単価を押しあげています。トップ5までの顔ぶれは、ローカルエリアが並びます。ローカルエリアは、商品購入の際に対面の販売チャネルが都心よりも限られることで、美容室が美容の商品購入の場としての価値が引き上げられているのではないでしょうか。またローカルエリアでは、「3世代で同じ美容室を利用」など、美容室との関係性が濃く、「地域の情報交換の場」としてコミュニティ化しているようなケースもあります。このためサロンと顧客との信頼関係が強く、店販購入につながりやすいとも考えます。

 

 

6.  【アイ】店販購入率1位は「広島県」!

 

一方、アイビューティーサロンの店販購入率1位は、「広島県」。広島県は、サロンの利用率、客単価、店販購入とすべてトップ5に入っており、今後のアイビューティーマーケットが期待できそうです。

成熟したヘア業界に比べて、アイビューティー業界はこれからの伸びが期待できる領域です。このため都道府県別の利用においても、結果が異なっているケースもあります。ジャンル×都道府県での「勝ち筋」はそれぞれ。ご自身のエリアの特性を踏まえながら、メニューの展開・顧客提案の参考になれば幸いです。

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

「都道府県別20代・30代女性の美容意識・実態調査2023」(2023年8月)

調査対象:全国の20~39歳の女性(回収サンプル 2万3,554)
※都道府県の都市規模に応じて、n=600、または、n=400 の目標値を設定
※回収が目標に届かなかった和歌山県、島根県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県は、ウエイトバック集計による補正を行った
※実数回答(利用回数、利用金額)については、過大な入力値を外れ値として抽出し、それらを除外して平均値等を算出している

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​