【2023年版発表!】美容センサス上期<アイビューティーサロン編> 女性のアイビューティーサロン、注目のメニューは?

 

【連載】ホットペッパービューティーアカデミー 研究員田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』

【2023年版発表!】美容センサス上期<アイビューティーサロン編>女性のアイビューティーサロン、注目のメニューは?

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロンの各ジャンル調査を発表しています。2023年6月に「美容センサス2023年上期<アイビューティーサロン編>」を発表しました!今回は女性(15~69歳)のアイサロン利用についてご紹介します!この1年、コロナ禍の行動規制の大幅な緩和、物価上昇など、美容消費を取り巻く環境はめまぐるしく変化しました。さっそく結果を見てみましょう。

 

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.  利用率は8.4%で前年からは微減
2.  1回あたりの利用金額は、2年連続で上昇
3.  年間利用回数が2年連続で上昇!コロナ禍からの回復の兆し?
4.  発表利用メニューランキング発表!
【1位】まつげパーマ・カール
【2位】まつげエクステンション
【3位】アイブロウ・眉カット
5.  ネット予約が増加中。予約の8割を占める

 

 1. 利用率は8.4%で前年からは微減

 

ホットペッパービューティーアカデミーでは、マーケットの観測指標として、「1年以内のサロン利用率」、「1回あたり利用金額(客単価)」、「年間利用回数」を経年で見ています。まずは1年以内のサロン利用率。2022年は9.3%と過去最高値をマークしましたが、2023年は前年からの反動があったのか0.9ポイント減少し、8.4%の利用となりました。

 

 2. 1回あたりの利用金額は、2年連続で上昇

 

1回あたりの利用金額は4,985円で、2022年から2年連続で上昇しています。2020年から2021年にかけて単価ダウンしたのは、「まつげパーマ」の流行が影響しているでしょう。ここ2年でトレンドは変わっていませんが、客単価が上昇している背景には物価高の影響が大きいと考えます。

 

 3. 年間利用回数が2年連続で上昇!コロナ禍からの回復の兆し?

 

次に年間利用回数をみてみましょう。年間利用回数も、2021年のコロナ禍で大きく減少していますが(調査は毎年2月に実施)、2022年、2023年と2年連続で増加しています。物価高の影響で年間利用回数は減少しているのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、物価高であってもサロンの年間利用回数は増加。アイビューティーは物価高には強いといえるのかもしれません。

 

 4. 利用メニューランキング発表!

 

 

【1位】まつげパーマ・カール

利用メニューの1位は「まつげパーマ・カール」。利用率は67.5%と約7割の利用と継続した人気です。まつげパーマは、もともと利用が伸びていましたが、コロナ禍でサロンでの滞在時間を短くしたいというニーズや、来店周期が伸びても自宅でのメンテナンスがしやすいなどに理由からさらに利用が伸びています。

 

【2位】まつげエクステンション

2位は「まつげエクステンション」。利用率はここ数年減少傾向にありますが、年代別利用者を見ると、「まつげパーマ」とは異なる傾向が。利用率が最も高いのは30代。次に利用が多いのも、50代とオトナ女性にまつげエクステンションの支持が高いことが分かります。年齢とともにまつげの本数が気になったり、「コシがなくなってきた」という悩みも増えてくるのではないでしょう。加齢によるまつげの悩みを、しっかりとボリュームをつけることでケアするといった提案が喜ばれそうです。

 

【3位】アイブロウ・眉カット

そして注目のメニューが3位「アイブロウ・眉カット」.。こちらも2年連続で利用が伸びています。アイブロウ・眉カットは、コロナ禍で「マスクから見える目元だけは、しっかりと整えたい」というニーズを背景に、利用率が上昇してきました。サロンでの施術は 10~15 分ほどの手軽なカットから、SNS で人気が高まったようなデザイン性の高い施術までメニューも多様化しています。 お客さまの選択肢が増えることで、利用者層の拡大も期待されます。

 

 5. ネット予約が増加中。予約の8割を占める

 

最後に「ネット予約」の推移をみていきましょう。毎年増加を続けており、2023年には82.4%に!アイサロンは個人サロンも多かったり、スタッフが複数いるサロンでも施術者の方が受付をされることも多いため、電話での予約は「施術中のため電話に出られない」といったケースも少なくはないでしょう。今ではアイサロンにとってネット予約は、ほぼスタンダードになりつつあります。競合店も「やっていることが当たり前」の中で、今後は「いかに予約の枠を広げるか」「直前まで予約ができるのか」といったことが差別化につながってくるでしょう。

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

美容センサス2023年上期<アイビューティーサロン編>」(2023年3月)

調査対象:15~69歳男女の過去1年間における美容サロン(アイビューティーサロン)に対する意 識・利用実態を調査(男女各6,600サンプル/人口20万人以上都市居住)※本寄稿においては、女性15~69歳のデータを使用

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​