データでひも解く男性の「目元美容」最前線! 男性のアイビューティーサロンの利用はどのくらい?

【連載】ホットペッパービューティーアカデミー 研究員田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』

データでひも解く男性の「目元美容」最前線!
男性のアイビューティーサロンの利用はどのくらい?

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロンの各ジャンル調査を発表しています。今回は美容意識の高まりが注目される男性美容について。「メンズメイク」が取り上げられることが多いですが、今回は男性の目元メイクやアイビューティーサロンの利用について解説していきます。

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.  男性のメイクアイテム購入率は?
2.  働く男性がメイクする理由は?
3.  目元のメイクアイテム、購入率は?
4.  男性の美容室で「眉カット」利用は、トリートメントよりも多い”
5.  男性のアイビューティーサロン利用率、20代は7.1%
6.  アイビューティーサロンでの男性の利用メニュー、1位は?

 

 1. 男性のメイクアイテム購入率は?

 

 

男性の「1年以内のメイクアイテム購入率」を見てみましょう。20代男性は20.3%、5人に1人が何等かのメイクアイテムを1年以内に購入していることが分かります。韓流アイドルブームやジェンダーレスの浸透で、若年層を中心に広がっている男性のメイク。グラフを見ていただくと、実は30代が15~19歳よりも購入率が高いことがわかるでしょう。しかも30代のメイクアイテム購入率は、前年の11.8%から16.8%と他の年代よりも大きく伸びています。30代というと、ほとんどが働いています。働く男性にメイク利用が広がる背景はなんでしょうか?

 

 2. 働く男性がメイクする理由は?

 

 

男性のビジネスパーソンに対して実施した調査では、メイクする理由の4位と5位に「仕事で相手への印象をよくしたいから」「周囲に不快感を与えたくないから」がランクインしています。

働く男性にとってのメイクは、職場での身だしなみ・マナーといった目的があるようです。2位には「自分に自信を持ちたいから」がランクインしており、これも職場で自信をもって仕事をしたいという気持ちの表れかもしれませんね。

 

 3. 初心者の取り込みに?目元のメイクアイテム、購入率は?

 



では、目元のメイクアイテム購入についても見ていきましょう。最も購入率が多いのは「アイブロウ」。次いで「アイライナー」、「アイシャドウ」、「マスカラ」が続きます。購入者の声を見てみましょう。

<購入者の声>
アイブロウ:「初めて使ったが眉毛の形や濃さで印象が違うので試してみてよかった」(30代男性)、「薄い眉毛を濃くできる」(30代男性)
アイライナー:「コンプレックスの目がきれいになった」(10代男性)
アイシャドウ:「可愛く見えるから」(10代男性)
マスカラ:「きれいになったから」(10代男性)

10代男性の「きれいに」というコメントが印象的です。特にジェンダーレス意識の高い若年層男性は、「きれいな肌」や「きれいな目元」を実現したいという思いが強そうです。

 

 4.   男性の美容室で「眉カット」利用は、トリートメントよりも多い!

 

 

それではサロンでの「目元のケア」についてみていきましょう。アイビューティーサロンの利用を見る前に、実は男性は「美容室」でアイメニューを利用していますので、先に紹介します。

なんと、男性の美容室での利用メニューの3位に「眉カット」がランクイン!トリートメントやパーマのオーダーよりも高いのです。これは男性向けの美容室の「セットメニュー」がカット+カラー+眉カットのような組み合わせで、眉カットを組み込んだものが多いことが理由のようです。

アイビューティーサロンに入るのはちょっと…と敷居の高さを感じる男性も、美容室で「まずは体験」することによって、良さを実感し、「次は眉カットの専門サロンに通ってみよう」という気持ちになるかもしれませんね。

 

 5.   男性のアイビューティーサロン利用率、20代は7.1%

 

 

それでは男性のアイビューティーサロン利用率をみてみましょう。男性全体の平均は、3.0%とまだまだ小さいマーケットですが、年代別にみると、20代の利用率は、7.1%。意外に高いかな?と感じる方もいらっしゃるかもしれません。若年層を中心に利用が高まる可能性もあります。アイビューティーサロンでは、どんなメニューを利用しているのでしょう?

 

 6.   アイビューティーサロンでの男性の利用メニュー、1位は

 

 

アイビューティーサロン利用者に聞いた利用メニューのランキングでは、1位に「まつげパーマ・カール」がランクイン!「眉カットじゃないの?」と驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。「目元の印象を変えたい」というニーズは女性だけではなく男性にもあるようです。

注)2022年で、アイビューティーサロンの利用率が男性全体で3.0%のため、1位の「まつげパーマ・カール」の利用率は、男性全体では1.4%程度です。

コロナ禍で、男性もリモートワークなどで自分の顔を見る機会が増え、その結果、自身の肌の状態が気になり、ケアをするようになったという声も聞きます。パソコンの画面ではもちろん目元もしっかりと映りますので、目元への意識が高まったという男性も多いかもしれません。メイクから広がる男性のサロン利用にも期待できそうです。

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

「美容センサス2022年下期<美容意識・購買行動>(2022年12月)
調査対象:6,600人(全国15~69歳男性)
調査実施時期 2022年 8 月

「美容センサス2022年上期<アイビューティーサロン編>(2022年6月)
調査対象:6,600人(全国15~69歳男性)
調査実施時期 2022年2月

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​