課題が多い? まつ毛エクステ、美容師国家試験への導入検討続く

美容師国家試験の実技試験の改善策として、「まつ毛エクステ」の導入検討が続いているが、課題が多く混乱が生じているようだ。
以下、理美容ニュースの引用である。

まつ毛エクステの実習を行っている美容学校は半数ほどしかなく、美容師国家試験の実技試験に採用するには課題が多い。
美容師国家試験の実技試験の改善策として、オールウエーブに代わり「まつ毛エクステ」の導入を検討していた理容師美容師試験研修センターのワーキングチーム(以下WTとする)の検討内容が、2023年1月18日の全日本美容連合会の理事会(写真)で報告された。

美容師国家試験の実技試験については、2021年に日本美容サロン協議会の呼びかけに賛同した自民党議員らが、河野太郎行政改革担当大臣(当時)に見直しを要請したのを受けて、河野大臣が厚生労働省に令和5年度までに検討を指示。同省は、「美容師の養成のあり方に関する検討会」を開き、2022年3月に国家試験の改善策として「まつ毛エクステンションの実技試験への導入のために必要な取組の推進」を掲げた。

同省は理容師美容師試験研修センターに、試験として実施する場合、公正・公平に行われるかを検討し、可能な場合は準備期間を含め令和4年度中に明らかにするよう求め、同センターはWTを設置し検討を進めていた。

WTは非公開で行われたが、傍聴が認められた全美連が、途中経過を同連合会理事会に報告した。
それによると、まつ毛エクステを美容師国家試験実技試験に導入する場合、
・まつ毛エクステの施術にホルムアルデヒドを使用する関係で十分な換気設備のある会場が必要
・従来は一つの机に二人で実技していたが、まつ毛エクステの場合は1つの机に一人になる
・美容学校でまつ毛エクステの実習を行っている学校は半数ほどしかない
・現状では試験委員が不足しており、試験委員を養成するのに時間がかかる
・現行の受験料では費用をまかなうのは難しい
などの意見が多いという。

WTでは最終的な報告書を年度内にまとめ、厚生労働省に提出するが、WTの検討内容が理事会での報告通りだとすると、実施するにはハードルが高そうだ。まつ毛エクステを美容師国家試験の実技試験として採用するか否かの判断は、WTの報告書などを踏まえ、厚生労働省を中心に判断することになるが、実施は難しい、もしくは実施するにしても時期はかなり遅れそうだ。