「アイビューティ」サービスの現状は大きく変化
もともとエステティックサロンから広まっていった「アイビューティ」サービスは、二〇二〇年の現在では、「アイラッシュ専門」サロンが台頭しているように、大きく変化してきているようだ。薬剤の目的外使用で禁止された「まつ毛パーマ」は、問題とされた頭髪用のパーマ剤に代わり、化粧品の認可を受けた新たな商材が開発され、「アイラッシュ・カール」と呼ばれるような技術とサービスが登場し、大きな注目を集めている。
「美眉タトゥー」と称して、エステサロンで施術してもOK!
医師法違反容疑で禁止された「アートメイク」は、二〇一八年十一月に、大阪高等裁判所が「タトゥー医師法違反容疑」の裁判において無罪の判決が出た。タトゥー施術を無罪にしておきながら、この判決文においては、「アートメイクは、ほくろやシミを隠す施術もするので美容医療の範疇と思われる」という余計な文章があり、アートメイクは微妙な立場となったままになった。大阪高裁の無罪判決は、検察が最高裁に控訴したため、タトゥーの医師法違反容疑は、最高裁の判断を仰ぐことになっている。
全国の彫師たちは、大阪高等裁判所の無罪判決が出ていることから現在はタトゥー施術の営業が堂々と行われている。もちろん公的な資格制度が確立されていないので、誰もが、彫師やタトゥー技術者を名乗って営業できる状態となっている。ということは、エステサロンにおいても「美眉タトゥー」と称して、顔のタトゥーを施術してもいいということになる。
〝美容師免許保有=まつ毛エクステプロ技術〟ではない!
美容師資格が必要となった「まつ毛エクステ」は、専門の「アイラッシュサロン」で施術されるケースが一番多い。美容室でも施術されているが、ヘアカットやヘアカラー、パーマが同時にされて、ヘアドライヤーなどがうるさい中で施術するには限界がある。それに大半の美容師は、「まつ毛エクステ」のプロ技術者として、お金をいただける技術を持っていない。「まつ毛エクステ」は、お客様が納得できるだけの一流の技術と知識を有する専門技術者でなければ通用しないのである。
エステサロンで「まつ毛エクステ」や「まつ毛カール」などの「アイビューティ」サービスを実施するには、美容師免許を有する専門の技術者を雇用する必要がある。
それは、エステサロンに限らず、美容室でもネイルサロンでも、経営者にとっては同じことなのである。
※2020年8月1日現在